薄毛治療薬、その効果と気になる副作用を調べてみました

髪の毛は、東洋医学では血の余りと表現されており、栄養素の残りにより構成されています。このために、頭皮が露出する薄毛と呼ばれる状態であっても、身体的には健康そのものというケースも少なくはありません。
 
これは、頭髪の有無が健康を左右しない何よりの証拠であり、医療機関での治療は近年になるまで一部の症状以外は行われていませんでした。
 

髪は女の命とも言うほど大切なモノ

 
しかし、髪の毛は見た目という部分では非常に重要なポイントであり、特に女性の場合は命とも表現されています。つまり、薄毛は女性にとっては見た目において生命にかかわるほど重要という意味で、社会的に深刻な悪影響を受けてしまうケースも少なくはありません。
 
一方、男性にとっても美容的な関心が年々高まりつつある中で、薄毛というのは非常に由々しき問題です。特に、日本人の場合は全体で約30パーセントと少数であり、必要以上に目立ってしまうことになります。ただし、現在では薄毛治療薬が開発されており、医療機関での治療も本格的にスタートしています。
 

飲む育毛剤ってどんなもの？

 

 
薄毛治療薬の中で最も有名なのが、飲む育毛剤とも呼ばれているプロペシアです。
これは、男性の薄毛の大部分を占めているAGAに対してのみ作用する内服薬で、元々は前立腺肥大の治療のために開発されたものです。前立腺肥大の原因物質DHTの生産に関与しているⅡ型の5α還元酵素を阻害するというのが、この薄毛治療薬の具体的な作用です。
 
この様な効果で薄毛が改善される理由は、DHTは髪の毛の成長を阻害する作用もあるからです。具体的には、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合した場合に、皮脂の分泌量を増加させてヘアサイクルを狂わせてしまうのです。
これにより、寿命が極端に短くなり、短い状態のままで髪の毛が抜けるようになります。ちなみに、DHTの生産にかかわっているⅡ型の5α還元酵素は、生え際から頭頂部の毛根に分布しているので、薄毛はこの部分に集中することになります。
 

副作用も理解して服用を

 
プロペシアを服用することでDHTの生産が阻害されるので、ヘアサイクルは正常な状態に回復します。これにより、髪の毛は短い状態で抜けなくなるので、結果的に薄毛が改善されることになります。一方、プロペシアには副作用があるので、十分に理解したうえで使用しなくてはなりません。
 
それは、薄毛治療薬が阻害するDHTは、本来は男性性器の発育に関与しているからです。このために、プロペシアを服用すると成長を阻害することになるので、未成熟な段階での使用は禁止されています。具体的には、未成年者や妊娠の可能性がある女性及び妊娠中の女性です。
 
ちなみに、妊娠の可能性がある女性や妊娠中の女性が服用を禁止されている理由は、胎児に副作用が発生する危険があるからです。なお、皮膚から吸収する危険があるので、これらの女性はプロペシアに触れることも禁止されています。このような副作用があるので、保管には十分な注意が必要となります。