酒は百薬の長とも呼ばれており、適量であれば健康を改善するメリットを多数得ることが出来ます。これは、育毛という観点からも同様であり、血行の促進やストレスの解消等は頭髪の成長を促進させる作用があります。
頭髪は、毛細血管を通って運び込まれてきた栄養素を毛乳頭細胞が吸収することにより、毛母細胞が分裂して成長します。
このために、適度の飲酒により血行が活性化した場合には、毛母細胞の分裂も活発になるので、健やかな成長が後押しされることになります。
お酒には具体的な根拠あり!
また、日本酒に含まれているα-GGという物質やビールのホップに含まれているgeraniol、さらにワインに含まれているポリフェノールの一種であるレスベラトロールは成長因子を増殖させる作用があります。
このために、発毛を促進する具体的な根拠が確認されているということになります。
ただし、だからといって飲酒そのものが育毛に効果的とまでは断言することは出来ません。
飲酒により体内に取り込まれたアルコールは、肝臓で分解される際にアセトアルデヒドという毒性を持つ物質を生産します。
この物質を、酢酸という無害な物質に変えて代謝するために、大量のアミノ酸やミネラルを消費してしまいます。
ただし飲み過ぎは厳禁
この時に消費される栄養素の中には、頭髪を構成するうえで非常に重要な役割を担っている亜鉛やシステイン等も含まれています。
このために、本来であれば頭髪を構成する栄養素が飲酒により消費されてしまうのです。このために、過剰なアルコールの摂取は頭髪への栄養不良となるので、薄毛の原因となってしまいます。
元々頭髪は漢方医学では血の余りと表現されている様に、栄養素の残りの部分により構成されています。これは、頭部を守るという大切な役割を担ってはいますが、基本的には単なる体毛の一種であり、命に直接関与しているわけではありません。
いうならば有っても無くても良い部分ということであり、仮に全てを失ったとしても肉体的健康が悪化するということはありません。このために、使用される栄養素は一番最後となります。
アルコールの分解に栄養素を消費すると育毛にはマイナス
このような状況の中でさらにアルコールの分解により、必要な栄養素を消費してしまうと頭髪に回される分は、ほとんどなくなってしまいます。
これは、ダイエットによる栄養不良と同様の状態となるので、育毛にとってはかなりマイナスに作用することになります。
このために、育毛を目的としている場合は適量を厳守するということが重要なポイントとなります。具体的には、ビールであればビールは中ビン1本、日本酒は1合から2合、ワインであればグラス2杯程度が目安となります。